- 咳
- 痰
- 息切れ
- 呼吸が苦しい
- ヒューヒュー、ゼーゼーしている
- 発熱
- 胸の痛み
- 健康診断でレントゲン異常を指摘された
- タバコをやめたい
- 睡眠時のいびき
- 呼吸停止
- 日中の眠気
- 慢性的な頭痛や倦怠感 など
当院でよく診療する呼吸器疾患の症状や治療についてご紹介します。
気管支喘息
気管支喘息は空気の通り道である気道に慢性的に起こる炎症のことを言います。発症すると「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった呼吸の音が聞こえるようになるのが特徴です。なお、気管支喘息をお持ちの方は、気道が過敏になっていますので、何らかの刺激(ダニやハウスダストなどのアレルゲンやウイルス、喫煙、冷気 など)が加わることで気道は狭くなっていき、それによって咳が出続ける、息苦しくて呼吸困難になるといった症状がみられるようになります。
当院では、肺機能検査やピークフローメーターなどを用いながら患者さんの重症度を判断し、重症度に応じた治療を行なっています。健常者と変わらない日常生活を送れるために必要最低限の治療を心がけております。気管支喘息は小児から大人までよくある疾患です。お子様が吸入薬を使用しやすいように吸入補助具(スペーサー)を用いたり、なるだけ薬は少なくても良いように考慮しながら、小児喘息から大人の喘息まで、長期的なケアを行なっていくことが可能です。
COPD (肺気腫/慢性気管支炎)
COPD (肺気腫/慢性気管支炎)とは、タバコなどの有害物質を吸入し続けることで生じる肺の疾患です。日本では500万人以上の患者がいるとされており、非常に多い疾患である一方、患者の多くは病院へ行かないために、見逃しが多い疾患でもあります。COPDでは、空気の通り道である気道が炎症を起こして狭くなったり、肺胞が壊れたりすることで、酸素を吸って二酸化炭素を排出する「ガス交換」の効率が悪くなり、正常な呼吸ができなくなります。主な症状は、歩行時など身体を動かした際に生じる息切れ、慢性の咳や痰といったものです。なお、症状が進行するようになると入浴時や安静時も息苦しくなり、重症例では自宅や外出先で酸素を使う場合もあります。
COPD患者の約90%に喫煙歴があると言われており、タバコを吸い始めたのが若ければ若いほど罹患しやすく、年齢とともに発症率が上昇します。
喫煙している方はもちろん、周りに喫煙者が多く、副流煙に曝露されている方で、咳・痰・息切れなどの症状があれば、早めに受診してください。COPDは予防可能な疾患です。禁煙が最も重要な治療であることが明らかとなっております。早期発見し、適切な治療を行うことで、病気の進行を食い止めることが私の使命だと考えております。当院では、肺機能検査、胸部レントゲン検査、提携医療機関での胸部CTなどで診断を行い、重症度に応じて治療を行うことが可能です。COPD患者では、肺がんや心筋梗塞、骨粗しょう症、糖尿病などの合併症を伴うことが多く、肺だけではなく、全身的なケアをしたいと考えています。
気管支炎・肺炎
細菌やウイルスなどが気管支や肺の中に侵入して感染する場合や、薬剤やアレルギーが引き金となって発症する場合があります。38℃以上の高熱や、咳・痰、息切れ(呼吸困難)、胸痛などの症状が出ることがあります。気管支や肺に病原体が入ることは珍しくなく、多くは人間に備わっている防御機構によって自然と排除されます。ただし、体力や免疫力が落ちていると感染して発症しやすくなります。とくに小さな子ども、ご年配の方、慢性の疾患を罹患している方は肺炎にかかりやすいと言われています。当院では、肺炎の原因となるインフルエンザ、新型コロナウイルス、マイコプラズマ、肺炎球菌などの微生物を出来るだけ探り、適切に抗生物質(抗菌薬)を使用したいと考えています。そのためウイルス感染が疑われる場合には抗生物質(抗菌薬)を処方しておりません。文字通り、抗菌薬は細菌には効果はありますが、ウイルスには効果はないからです。ウイルスに効果があるのは、抗ウイルス薬と呼ばれています。無闇に抗生物質(抗菌薬)を使用し、薬剤耐性菌を作りたくありません。いざ抗生物質(抗菌薬)が必要な時に、「効かない!」という事態を避けたいからです。もちろん細菌感染が疑われる場合には最適な抗菌薬(抗生物質)でしっかりと治療をしております。
肺炎を予防するために予防接種は有効です。小児では、小児用肺炎球菌ワクチンやヒブワクチンなどの定期接種とインフルエンザワクチンを。喘息などの呼吸器疾患をお持ちの方や、65歳以上の高齢者の方には、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンをお勧めしております。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に呼吸が停止、もしくは低呼吸状態にある場合を睡眠時無呼吸症候群(SAS)と言います。発症の原因については、そのほとんどが肥満やのど・顎の骨格的な形状(アデノイドや扁桃肥大 など)によって気道が閉塞することで生じるため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群と呼ばれます。
主な症状
- 熟睡できないことによる日中や活動時の強い眠気
- 夜中に何度も目が覚める
- いびき
- 疲労感
- 集中力の低下
- 睡眠中呼吸が止まる
- 起床時の頭痛 など
当院の検査
当院では、患者さんのご自宅で調べられる簡易検査キットのご用意が可能です。簡易検査キットを装着の上、一晩寝ていただくだけで、簡単に検査ができます。
必要に応じて入院検査を行いますが、その際には提携医療機関をご紹介させていただきます。
治療について
睡眠時無呼吸症候群と診断された場合には、CPAP療法を行います。最新型のCPAP療法は、スマホとの連動も可能で、旅行などへの持ち運びも可能なコンパクトなものになっております。
睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、心筋梗塞、脳卒中や糖尿病などの合併症になりやすく、生活習慣病との関連もありますので、全身的なケアをしたいと考えております。